量子論のコペンハーゲン解釈は、「量子力学の標準解釈」と権威づけされているが、実は意味不明な解釈である。  そこで、コペンハーゲン解釈の最終的決定版として、著者は「言語的(コペンハーゲン)解釈[=量子言語]」を提案した。 これについて以下に書く。


§1.[もののけ世界観]→ [力学的世界観]→ [言語的世界観]

世界観・世界記述の研究は3000年以上の歴史があるが、いつの時代も科学と哲学の中心的テーマであった。 中世までの「(物に命が宿る)もののけ世界観」からの飛躍(パラダイムシフト)は、ガリレオ、ベーコン、デカルト、ニュートン等の仕事を通して自然発生した「力学的世界観」である。この威力は絶大で中世から近代への扉を開けた(図1の@)。ここで、「力学的世界観」とは、

(A) 物理学をお手本にして、(物理以外の)諸科学を考えよ!

である。単純であるが、世界記述の最良の規範として、今だに現代科学に君臨している。
  そうであれば、誰もが「第二のパラダイムシフト」を夢見るかもしれないが、簡単な話ではない。事実、カタストロフィ、ファジィ、複雑系、カオス等、頓挫した夢を枚挙すれば切りがない。 しかし、それでもやめられないのがパラダイムシフトの追究で、「大きな物語」を語りたいという本能には抗しきれない。
  ということで、ここでは、図1の言語系列(二元論的観念論)の最終形態として、量子言語による「言語的世界観(C)」を提案し、これを第二のパラダイムシフトと主張する。


§2.事の発端: ハイゼンベルグの不確定性原理の発見

事の発端は、20年程前のハイゼンベルグの不確定性原理(の数学的定式化)の発見で(cf. 文献[1])、この正体がわかると、

(B) 「量子力学とは、何か?」を追究したくなる

量子力学には幾つかの流儀(例えば、コペンハーゲン解釈、多世界解釈、確率的解釈等)があって、(B)の答えは研究者によってマチマチで、言わば諸子百家の状態である。応用の分野ならば、それでも「臭いものに蓋」として何とかやって来られたが、ハイゼンベルグの不確定性原理ともなると、これではやはり困る。「○○流儀のハイゼンベルグの不確定性原理」では困るわけである。

§3.始めに言葉ありき ―― 言霊信仰 ――

量子力学が誕生して、もう(まだ?)約90年であるが、我々はとんでもない先入観に囚われているかもしれない。すなわち、「量子力学は物理学である」という思い込みである。さて、結論を先に書くと、言語的世界観(図1の)とは、

(C) 量子言語という言語が先にあって、それで世界を記述・構築する

となる(cf. 文献[2, 3])。量子言語の説明は省略するが、「数行程度の簡単な二つの(測定と因果律に関する) 呪文」と思えばよい。量子言語と言っても、日常的現象を記述できて、量子言語で経済現象を記述したのが経済学である。 また、

量子言語で量子現象を記述したのが量子力学である

これが「量子力学の真の姿」であると主張して、これを(B)の答えとする。したがって、 図1の「→A」は歴史的経緯で、実体はその逆の「←A」である(ここでは「大学で習う普通の量子力学」を想定していて、図1のBの先にあるであろう「量子物理学」には関わらない)。 すなわち、(C) = (D)、つまり、

で、
諸科学とは量子言語で記述された世界のことである

と言語的世界観(C)は主張する。したがって、
諸科学のど真ん中に「量子言語という形而上学」が居座っている

ということになる。「呪文に力がある」という意味で、(C)は言霊信仰と言ってもいいだろう。
 量子力学を物理学と思うから、いろいろなパラドックス・流儀・解釈が生じてしまうのだと考える。シュレーディンガーの猫など、物理現象のわけがないし、そもそも、物理学に「解釈」とか「二元論」とかという言葉は似合わない。 このような考えは、特にユニークというわけではなくて、アインシュタインも終生、量子力学を物理学とは認めなかったのは有名な話である。

§4. 力学的世界観(A) vs. 言語的世界観(C)

たとえば、「アキレスは亀を追い越せない」のゼノンのパラドックスについて、 2500年間も議論している哲学者は等比級数も知らない馬鹿か? と思うのは常識人――力学的世界観(A)の信奉者――である。 哲学者たちは、(A)を是としない立場で「新しい世界観の下でのアキレスと亀」を模索しているのである。 また、「統計学とは、何か?」も、(A)の立場からでは解答できないわけで、やはり量子言語が必須となる。 また、「時空とは、何か?」が物理学だけのテーマでないことも明らかになる。 また更に、言語的世界観(C)の理解無くして、哲学の本流(二元論的観念論)の理解は永久に不可能なはずで、意味不明な哲学書ばかりなのはこの理由による。 このように、 (C)を始点にすれば未解決問題が次々と解けるのだから、「(A) vs. (C)」には勝算がある。というよりも、「お手本」では曖昧すぎて、力学的世界観 (A)は[図1:大きな物語]の中に居場所がない。そもそも(A)を「世界観」としたことが間違いで、やはり「お手本」以上のものではない。
 ケンブリッジ大学の物理学者ホーキング博士は、ベストセラー[ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫)]の中で、

(E) アリストテレスからカントに至る哲学の偉大な伝統から見て、現代哲学の、なんという凋落ぶりだろう

と、「哲学と科学との乖離」に苛立ちを隠さずに、率直に述べている.   図1のの存在を知らなければ、ホーキング博士ならずとも誰もが、カント以降を延命哲学として、(A)を始点とするしかないと思うだろう。

§5.大きな物語のハッピーエンド― 3000年のファイナル アンサー ―

さて、 現状では「図1のCの証拠固め」はほぼ完了したと考える。したがって、大きな物語の二つの終焉(図1のBとC)のカウントダウンが始まったと信じる。アインシュタインが指し示した方向を目指すBは、世界で最も敷居の高い教育・研究機関のエリート達の独壇場かもしれない。一方、Cの方向性は天才の御神託があるわけではなくて、方向を見出すための地道な試行錯誤を重ねるだけなので、エリート無用である。今後、量子言語を超えるものを誰かに案出してもらいたいという気持ちもあるが、その可能性は皆無と信じる。
  そうだとしても、すなわち、図1の物理系列と言語系列の両者の顔が立ったという意味で、

大きな物語のハッピーエンド

だとしても、もう既にポストモダンの時代[=小さな物語の時代=諸科学(工学・諸社会科学・バイオ等)の時代]に突入しているのだから、科学はいつの時代も忙しい。

[参考文献] 量子力学の知識がある程度あるならば [2,3,4,24,27,28]を先に読むのがお勧め。[8,26]は学部のテキスト。 [25]は大学院の講義ノートで、これを読めば現時点の「言語的コペンハーゲン解釈」のすべてを理解したことになる。 特に、[24,28]を読めば、「言語的コペンハーゲン解釈」の必然性がわかるだろう。

理系の学生が哲学に興味を持つことを全否定するわけではないが、はやり(ファインマン博士やホーキング博士が言っているように)警戒した方がいい。 まず[26, 27、31]を読んで、西洋哲学に対する接し方を学んで、 哲学と付き合ってもらいたい。論理学より数物、また心の哲学より脳科学・AIという理系では当たり前の感覚を失ってはならない。 量子言語の全貌は[30]が一番読みやすいだろう。[31]は、デカルト・カント哲学の意味が誰にでもわかるように書いてある(世界中で)唯一の書と思っている。

振り返ってみると、 ハイゼンベルグの不確定性原理の発見[1]が、コペンハーゲン解釈の再考を促して、量子言語の提案に繋がった。 量子言語は二元論的観念論の到達点であり、科学を記述する言語であった。 つまり、量子言語とは、コペンハーゲン解釈という科学思想をバックボーンに持って、統計学、動的システム理論、量子論を包含する科学言語である。 科学を記述する言語なのだから、量子言語ほど役に立つ理論は無いわけであるが、予想外の応用として、量子言語の観点からデカルト・カント哲学の完全理解[31]が可能になる。 これらのことは、当初は思いもかけない展開であった。

[1]: S. Ishikawa, "Uncertainty Relations in Simultaneous Measurements for Arbitrary Observables," Rep. Math. Phys., Vol. 29, No. 3, pp. 257-273 (1991) doi: 10.1016/0034-4877(91)90046-P, [PDF download]
[2]: S. Ishikawa, "A New Interpretation of Quantum Mechanics," Journal of Quantum Information Science, Vol. 1 No. 2, 2011, pp. 35-42. doi: 10.4236/jqis.2011.12005 ( download free)
[3]: S. Ishikawa, "The linguistic interpretation of quantum mechanics," arXiv:1204.3892v1[physics.hist-ph] , (2012) ( download free)
[4]: S. Ishikawa, "Quantum Mechanics and the Philosophy of Language: Reconsideration of Traditional Philosophies," Journal of quantum information science, Vol. 2, No. 1, 2012, pp.2-9. doi: 10.4236/jqis.2012.21002 ( download free)
[5]: S. Ishikawa, "Fuzzy Inferences by Algebraic Method," Fuzzy Sets and Systems, Vol. 87, No. 2, 1997, pp.181-200. doi: 10.1016/S0165-0114(96)00035-8 , [PDF download]
[6]: S. Ishikawa, "A Quantum Mechanical Approach to Fuzzy Theory," Fuzzy Sets and Systems, Vol. 90, No. 3, 1997, pp. 277-306. doi: 10.1016/S0165-0114(96)00114-5 , [PDF download]
[7]: S. Ishikawa, "Statistics in measurements," Fuzzy sets and systems, Vol. 116, No. 2, 141-154 (2000). doi:10.1016/S0165-0114(98)00280-2 , [PDF download]
[8]: S. Ishikawa, "Mathematical Foundations of Measurement Theory," Keio University Press Inc. 335pages, 2006. http://www.keio-up.co.jp/kup/mfomt/
[9]: S. Ishikawa, "A Measurement Theoretical Foundation of Statistics," Applied Mathematics, Vol. 3, No. 3, 2012, pp. 283-292. doi: 10.4236/am.2012.33044 ( download free)
[10]: S. Ishikawa, "Ergodic Hypothesis and Equilibrium Statistical Mechanics in the Quantum Mechanical World View," World Journal of Mechanics, Vol. 2, No. 2, 2012, pp. 125-130. doi:10.4236/wjm.2012.22014 ( download free)
[11]: S. Ishikawa, "Zeno's paradoxes in the Mechanical World View," arXiv:1205.1290v1 [physics.hist-ph] , (2012) ( download free)
[12]: S. Ishikawa, "Monty Hall Problem and the Principle of Equal Probability in Measurement Theory," Applied Mathematics , Vol. 3, No. 7, 2012, pp. 788-794. doi:10.4236/am.2012.37117 ( download free)
[13]: S. Ishikawa, "What is statistics?; The Answer by Quantum Language," arXiv:1207.0407v1 [physics.data-an]} , 2012 ( download free)
[14]: S. Ishikawa: "Measurement Theory in the Science of Philosophy," arXiv:1209.3483v1[physics.hist-ph] ,( 2012) (download free)
この和訳は、 石川史郎:科学哲学序説 --- 測定理論による諸科学の統一 --- (紫峰出版) 
[15]: S. Ishikawa: "Heisenberg uncertainty principle and quantum Zeno effects in the linguistic interpretation of quantum mechanics," http://arxiv.org/abs/1308.5469[quant-ph] ,( 2013) (download free)
[16]: S. Ishikawa: "A quantum linguistic characterization of the reverse relation between confidence interval and hypothesis testing," http://arxiv.org/abs/1401.2709[math.ST] ,( 2014) (download free)
[17]: S. Ishikawa: "ANOVA (analysis of variance) in the quantum linguistic formulation of statistics," http://arxiv.org/abs/1402.0606[math.ST] ,( 2014) (download free)
[18]: S. Ishikawa: "Regression analysis in quantum language," http://arxiv.org/abs/1403.0060[math.ST] ,( 2014) (download free)
[19]: S. Ishikawa, K. Kikuchi: "Kalman filter in quantum language," http://arxiv.org/abs/1404.2664[math.ST] ,( 2014) (download free)
[20]: S. Ishikawa: "The double-slit quantum eraser experiments and Hardy's paradox in the quantum linguistic interpretation," http://arxiv.org/abs/1407.5143[quantum-ph] ,( 2014) (download free)
[21]: S. Ishikawa: "The Final Solutions of Monty Hall Problem and Three Prisoners Problem," arXiv:1408.0963v1 [stat.OT] ,( 2014) (download free)
[22]: S. Ishikawa: "The two-envelope paradox in non-Bayesian and Bayesian statistics," arXiv:1408.4916v3 [stat.OT] ,( 2014) (download free)
[23]: S. Ishikawa: "Linguistic interpretation of quantum mechanics: Quantum language," KSTS/RR-15/001 [Reseach Report; Keio Math] ,( 2015), 416 pages (download free) or, KSTS/RR-15/001 [S. Ishikawa]
[24]: S. Ishikawa, "Linguistic interpretation of quantum mechanics; Projection Postulate," Journal of Quantum Information Science, Vol. 5 No. 4, 2015, pp. 150-155. DOI: 10.4236/jqis.2015.54017 (download free)   
Also, see Reseach Report; Keio Math [KSTS/RR-15/009](S. Ishikawa ). ( download free) ,arXiv:1511.07777 [physics.gen-ph] ,( 2015), (download free)
[25]: S. Ishikawa: "Linguistic interpretation of quantum mechanics: Quantum language [ver. 3]," Research Report, Keio Math. [KSTS/RR-17/007] ,( 2017), 426 pages (download free) or, Research Report, Keio Math. [KSTS/RR-17/007] (S. Ishikawa)
Shiro Ishikawa, "Linguistic Interpretation of Quantum Mechanics - Towards World-Description in Quantum Language -" Shiho-Shuppan Publisher 2016, ( 405 pages)

♦ この和訳は、 量子言語入門(大学院講義ノート); 紫峰出版, 2015
[26]: S. Ishikawa: "History of Western Philosophy from the quantum theoretical point of view, Version 2" Reseach Report; Keio Math [KSTS/RR-17/004](S. Ishikawa ) ,( 2017), 139 pages (download free)

このpreprintは和訳されて、次で出版されている:
量子論から見た西洋哲学史; 紫峰出版, 2016

[27]: S. Ishikawa: "A final solution to the mind-body problem by quantum language" Journal of quantum information science, Vo.7 No.2 2017, 48-56 (download free), The preprint is as follows: Reseach Report; Keio Math [KSTS/RR-17/003](S. Ishikawa )(download free),
[28]: S. Ishikawa: "Bell's inequality should be reconsidered in quantum language" Journal of quantum information science, Vo.7 No.4 2017, 140-154 (download free), The preprint is as follows: Reseach Report; Keio Math [KSTS/RR-17/006](S. Ishikawa )(download free),
[29]: 理系の西洋哲学史: 石川ブログ ブログ The Blog of Keio Quantum Philosophy Society (Adviser: S. Ishikawa) [Japanese version] ,( 2012-2017
[30]: コペンハーゲン解釈; 量子哲学 (大学院講義ノート; Webバージョン 453 pp.) Koara 2018 コペン
[31]: 理系の西洋哲学史; 哲学は進歩したか? (大学院講義ノート; Webバージョン 303 pp.) Koara 2018; 哲学史






    コペンハーゲン解釈; 量子哲学 (大学院講義ノート; Webバージョン 453 pp.) Koara 2018

    (by 理工;石川 史郎)
コペンハーゲン解釈; 量子哲学 (大学院講義ノート; Webバージョン 453 pp.) Koara 2018
目次
まえがき
第1講: ファインマン博士の問い掛けへの解答; p.1
1.1 量子言語(= 測定理論); p.2
1.2 量子言語の概要; p.12
1.3:例(熱い? 冷たい?) p.22
第2講: 言語ルール1 ─ 測定; p.27
2.1: 量子言語の基本構造$[{\mathcal A} \subseteq \overline{\mathcal A} \subseteq B(H)]$;$\;\;$; 一般論; p.28
2.2: 量子系の基本構造$[{\mathcal C}(H) \subseteq B(H) \subseteq B(H)]$と状態空間;p.33
2.3: 古典系の基本構造$[C_0(\Omega ) \subseteq L^\infty (\Omega, \nu ) \subseteq B(L^2( \Omega, \nu ))]\;\;$; p.42
2.4: 状態と観測量; 第一次性質と第二次性質; p.49
2.5: 観測量の例; p.60
2.6: システム量; 観測量の原型; p.65
2.7: 言語ルール1 ─測定なくして科学なし; p.69
2.8: 古典測定の簡単な例(壺問題等); p.74
2.9: 簡単な量子測定(シュテルン=ゲルラッハの実験); p.83
2.10: 簡単な量子測定(ド・ブロイのパラドックス); p.86
第3講: 言語的コペンハーゲン解釈; p.91
3.1:言語的解釈(=言語的コペンハーゲン解釈); p.91
3.2:テンソル作用素代数 p.101
3.3.1:観測量は一つだけ
3.3.2:状態は動かない
3.3.3:状態は一つだけ
第4講: 言語的コペンハーゲン解釈 (主に量子系); p.123
4.1:量子言語のコルモゴロフの拡張定理: p.123
4.2: 量子言語における大数の法則; p.127
4.3.1:ハイゼンベルグの不確定性原理は何故有名なのか? p.134
4.3.2:ハイゼンベルグの不確定性原理の数学的定式化
4.3.3:ハイゼンベルグの不確定性原理が破れる場合
4.4: EPR-パラドックスと超光速 p.146
4.5: ベルの不等式再考 p.151
第5講: フィッシャー統計学 I; p.173
5.1:壺問題 p. 174
5.2:フィッシャーの最尤法 p.179
5.3:フィッシャーの最尤法の例: p.187
5.4:モーメント法 p. 193
5.5:モンティホール問題:高校生パズル p.198
5.6:二つの封筒問題:高校生パズル p.202
第6講: 実践論理: 三段論法を信じますか?; p.209
6.1: 擬積観測量と辺観測量; p.210
6.2: 擬積観測量の制約条件; p.214
6.3: 含意─「ならば」の定義; p.218
6.4: コギト命題「我思う.故に我あり」を疑う; p.222
6.5: 結合観測量|測定は一回だけ|; p.226
6.6: 実践三段論法─ソクラテスは死ぬか?; p.229
6.7: 量子系では、三段論法は当てにならない; p.234
第7講: 混合測定理論(ベイズ統計学); p.237
7.1: 混合測定理論($\supset$ベイズ統計学); p.237
7.2:混合測定の練習・演習; p.241
7.3:サンクトペテルスブルグの二つの封筒問題; p.246
7.4:ベイズ統計とはベイズの定理を使うこと; p.249
7.5:二つ封筒問題(ベイズの方法); p.253
7.6:モンティ・ホール問題(ベイズの方法); p.257
7.7:モンティホール問題(等確率の原理) p.261
7.8:平均情報量(エントロピー ) p.264
7.9:フィッシャー統計: モンティホール問題 [三囚人の問題] p.267
7.10:ベイズ統計: モンティホール問題 [三囚人の問題] p.271
7.11:等確率の原理: モンティホール問題 [三囚人の問題] p.275
7.12:ベルトランのパラドックス( "ランダム"は見方次第) p.278
第8講: 言語ルール2 ─因果関係; p.283
8.1:因果関係とは何か?---現代科学の最重要問題 p.284
8.2:因果関係─火の無いところに,煙は立たない; p.291
8.3:言語ルール2 |マルコフ連鎖; p.300
8.4:(古典系と量子系の)運動方程式; p.303
8.5:酔歩と量子デコヒーレンス p.307
8.6:時空とは何か?---ライプニッツ=クラーク論争 p.309
第9講: 単純測定と因果関係; p.319
9.1:ハイゼンベルグ描像と「シュレーディンガー描像という計算法」;p.320
9.2:射影公準:量子言語における「波束の収縮」; p.324
9.3: ド・ブロイのパラドックス(非局所性(=超光速)); p.329
9.4:量子ゼノン効果:「見ていると餅はなかなか焼けない」わけではない;p.334
9.5:シュレーディンガーの猫、ウィグナーの友人とラプラスの魔; p.338
9.6:遅延選択実験: 「粒子か? 波か?」は愚問; p.345
9.7:量子消しゴム; p.353
第10講「測定は一回だけ」と(量子) 因果関係; p.357
10.1: 有限実現因果観測量─測定は一回だけ; p.358
10.2 二重スリット実験; p.366
10.3: ウィルソンの霧箱; p.370
10.4: 二種類のトンデモ性─観念論と二元論; p.374
11.0:フィッシャー統計 (II)
11.1: 表から見れば測定,裏から見れば推定・制御; p.381
11.2: 回帰分析=推定+実現因果観測量 p.386
第12 講「測定は一回だけ」と(古典) 因果関係; p.39
12.1: 無限実現因果観測量 p.391
12.2: ブラウン運動とは何か? p. 395
12.3: 決定的因果作用素列のシュレーディンガー描像 p.398
12.4: 運動関数という形而上学的命題 p.398
12.5 : ゼノンのパラドックス---アキレスと亀 p.406
第13講: 平衡統計力学(エルゴード仮説と等確率の原理); p. 411
13.1:平衡統計力学と言語ルール2(因果関係); p.412
13.2:平衡統計力学と言語ルール1(測定); p.419
第14講 信念" の確率解釈; p.421
14.1: 信念, 確率, オッズ p.422
14.2: 等確率の原理(II) p.429
第15講: まとめ・あとがき; p.431
15.1 思考の形式; p.431
15.2 二元論; p.431
15.3 量子言語; p.435
15.4 量子言語: 二元論の最終到達点; p.442


    理系の西洋哲学史; 哲学は進歩したか? (大学院講義ノート; Webバージョン 203 pp.)

    (by 理工;石川 史郎)





理系の西洋哲学史: 哲学は進歩したか? (大学院講義ノート; Webバージョン 203 pp.) [リンク;理系の西洋哲学史 (Koara 2018)]
目次
まえがき [リンク;Koara]
第1講コペンハーゲン解釈(量子言語) の速習: [リンク;Koara]

1.1 量子言語(=測定理論) の概要(cf. 文献[KOARA 2018; コペン]) 2
1.2 世界記述の哲学の発展史と本書の目的; 13
1.3 実在的世界記述と言語的世界記述; 19
1.4 量子言語からの帰結; 25
1.5 進歩問題の解決とその系(心身問題と因果問題); 29
第2講 古代ギリシャ哲学(ソクラテス以前);  37
[リンク;Koara]
2.1 タレス:最初の哲学者:「万物の根源は水である; 37
2.2 ピタゴラス; 42
2.3 ヘラクレイトスとパルメニデス; 47
2.4 ゼノン(BC490 - BC430)  ; 54
第3講 ギリシャの三哲(ソクラテス、プラトン); 61 [リンク;Koara]
3.1 プロタゴラスとソクラテス(哲学が文系になった); 61
3.2 プラトン(BC.427 頃- BC.347 頃) ; 66
3.3 プラトン:空想的言語的世界記述; 70
3.4 二元論のキーワード; 74
3.5 プラトンのアカデメイア;幾何学を知らぬ者, くぐるべからず; 78
3.6 まとめ: プラトン流の哲学の語り方; 81
第4講 ギリシャの三哲(アリストテレス); 87 [リンク;Koara]
4.1 アリストテレス;万学の祖; 88
4.2 運動・変化の根源は何か? ; 92
4.3 アリストテレスの三段論法; 96
第5講 アレクサンドリア周辺; 101 [リンク;Koara]
5.1 アレクサンドリア周辺; 102
5.2 ユークリッド (幾何学に王道なし)  ; 103
5.3 アリスタルコス; 古代の地動説; 113
5.4 アルキメデス;(エウレーカ(発見した)); 115
5.5 エラトステネス; 古代最大の測定者; 122
5.6 クラウディオス・プトレマイオス;天動説; 124
第6講 中世- 暗黒時代- 127 [リンク;Koara]
6.1 アウグスティヌス(AD. 354 年- 430 年); 128
6.2 スコラ哲学; プラトン派からアリストテレス派へ; 138
6.3 ゼロの発見; 141
6.4 神の存在証明 ; 144
6.5 普遍論争; 147
6.6 オッカムの剃刀; 154
第7講 近世; 天動説から地動説へ; 157 [リンク;Koara]
7.1 パラダイム・シフト; 158
7.2 経験論の祖ベーコン(1561 年- 1626 年): 帰納主義;イドラ; 161
7.3 天動説から地動説へ; 164
7.4 『新科学対話(ガリレオ)』で、いまだに不思議なこと; 170
7.5 ニュートン登場『プリンキピア』; 172
7.6 再考 [座標とは何か?]; ニュートンはなぜ微分方程式を使わないでプリンキピアを著したのか? ; 177
第8講 近代哲学の父;デカルト 183 [リンク;Koara]
8.1 コギト命題と自己言及的命題; 184
8.2 「我思う, ゆえに我あり」と我思う(デカルト『方法序説』; 189
8.3 デカルトの戦略; 193
8.4 デカルト哲学と量子言語のキーワード対応; 197
第9講 近代哲学(ジョン・ロック、ライプニッツ, バークリー) 203 [リンク;Koara]
9.1 イギリス経験論の祖ジョン・ロック(1632 - 1704); 204
9.2 第一次性質と第二次性質; 208
9.3 「イギリス経験論vs. 大陸合理主義」という演出; 212
9.4 ライプニッツ=クラークの往復書簡; 214
9.5 唯心論:バークリー「存在するとは知覚されること」; 218
9.6 測定しなかった懐疑主義者:ヒューム『人間本性論』; 227
第10講 カント;純粋理性批判; 観念論の発見235 [リンク;Koara]
10.1 ご冗談でしょう. カントさん: 二律背反(アンチノミー) ; 236
10.2 カントの認識論; コペルニクス的転回 243
10.3 まとめ;デカルト=カント哲学; 248
10.4 未解決問題;因果関係とは何か? ; 258
10.5 「フッサールから脳科学へ」は本流か?; 252
第11講 言語哲学; 267 [リンク;Koara]
11.1 言語論的転回『論理哲学論考』; 268
11.2 哲学者の資質は, 言葉の力; 272
11.3 言語論的転回で蘇る純粋理性批判; 276
11.4 「哲学は進歩する」の系; 283
第12講 あとがき; 287 [リンク;Koara]
12.1 当然のことであるが, 文学部哲学科の哲学は文芸的; 287
12.2 量子言語は二元論的観念論の唯一の科学的成功例; 288
12.3 最後のまとめ; 296
12.4 最後に; 297
参考文献; 301 [リンク;Koara]
索引; 301 [リンク;Koara]