セミナー

力学系セミナー

タイトル Keio Dynamics Day (KODD) 2015 -Limit theorems and thermodynamic formalism for non-uniformly hyperbolic/neutral low-dimensional dynamics-
開催日時 2015年3月4日 13:30-17:30
主催者
講演者 下記参照。
場所 慶應義塾大学理工学部矢上キャンパス14棟(創想館)631A
内容 13:30-14:30 秋元 琢磨 (慶應義塾大学)
14:30-15:00 休憩・自由討論
15:00-16:00 鄭 容武 (広島大学)
16:00-16:30 休憩・自由討論
16:30-17:30 高橋 博樹 (慶應義塾大学)


秋元 琢磨(慶應義塾大学)無限測度を持つ力学系における新しい分布極限法則

無限測度を持つconservative, ergodic transformationでは、観測関数の長時間平均は 分布として収束することがわかってきている。例えば、観測関数の不変測度に関する 平均が有限である場合は、その長時間平均は、Mittag-Leffler分布に分布として収束 する。また、平均が有限でない場合には、異なる分布極限法則(一般化逆正弦分布) になることもわかっている。本講演では、1次元の間欠性写像において、平均が有限 ではないが、不変密度が発散する点で観測関数の値がゼロになる観測関数の長時間 平均分布をある確率モデルを用いて示す。その分布は、上で述べた分布関数とは異 なっており、本研究の結果がさらに一般化されれば、無限測度エルゴード理論における 新しい分布極限定理になることが期待される。

鄭 容武(広島大学)可微分力学系の大偏差原理

大偏差原理が成りたつカオス力学系のクラスについてこれまでにわかったことと これから調べたいことについて紹介します。

高橋 博樹(慶應義塾大学)Vanishing condensation point for Henon-like maps at the first bifurcation

エノン写像の最初の分岐パラメーターの近くにおいて``最もよく見られる"ダイナミクスを 熱力学形式の観点から調べる。区間上の2次写像x→x^2-2の反復合成による力学系では、 Lebesgue測度と不動点x=2におけるDirac測度が平衡状態として共存し、(第一種)相転移が 起きている。これとは対照的に、エノン写像においてはcondensation pointと呼ばれる (第一種)相転移の有無を特徴づける点が消滅する(-∞になる)ことを示す。 証明の核心は、分岐による構造の破壊がそれほど進行していない部分を利用して inducing schemeの族を構成し、圧力関数を下から評価することにある。
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