数理科学とは、数学および、数学と諸科学との関係領域に構築された研究分野を総称するもので、数学理論(いわゆる純粋数学)の追求と同時に、現実現象の記述(抽象化・定式化・モデル化)の開発にも重点を置いています。 研究対象は極めて抽象度の高い純粋数学から、具体的な現象のデータを扱う統計学まで、多岐にわたります。 また、非線形現象、相転移、液晶や超伝導などの理学や工学と関連した研究、数理ファイナンスなども研究対象です。
数理科学専修における研究分野は、高度に抽象化された基礎数理分野から、諸科学への応用に直結する応用数理分野までの幅広い分野をカバーしています。 具体的には、本専修は、次のような分野を核とします。
代数学 幾何学 数理解析 確率論 統計学 離散数学 計算数学
数理科学専修の修士課程の学生に望むことは、まず自分の力で考えることです。 その上で、読む-- 書く-- 話すの3つの能力を身につけてほしいと思っています。
慶應義塾大学理工学研究科は、2016年度から「主専門-副専門制」を柱とする新カリキュラムに移行しました。新カリキュラムは、2016年4月以降の入学者から適用されます。
詳しくは、「理工学研究科 修士課程カリキュラムについて」をご覧ください。
数理科学専修における大きな特徴の一つは、指導教員によっておこなわれるセミナーです。 これは学生と指導教員との間で1対1もしくはそれに近い小人数で行われます。 学生はこのセミナーを通して問題の定式化やその解決に必要な方法を学びます。 具体的には課題研究と特別研究第1がその科目です。
入学して数理科学専修所属の教員の中から諸君の指導教員が決まると、セミナーを通して指導を受けることになります。 最後に、そこで学んだ(あるいは研究した)内容をまとめたレポートを提出し、課題研究発表会においてプレゼンテーションを行うことにより、基礎理工学課題研究の単位を取得します。 これは、その後に本格的な研究を始める出発点となるもので、課題研究を含む所定の単位数を取得することにより、修士論文着手が認められます。
標準的には、入学時から一年間かけて課題研究科目の単位を取得しますが、指導教員が十分な学力を認め、修士論文作成のための研究に進んでもよいと判断した場合には、入学から半年で課題研究の単位を取得し、修士論文にとりかかることもできます。
課題研究科目を履修し修士論文着手が認められたら、基礎理工学特別研究第1を履修します。 これは、修士課程修了に必要な修士論文の作成に関する指導を受けることを目的にした科目です。 修士論文を作成し、修士論文発表会で発表することで修士論文の審査を受けることになります。 これに合格すれば基礎理工学特別研究第1の単位がつき、修士の学位を取得することになります。
数理科学専修では、修士(理学)と修士(工学)の学位を取得することができます。 どちらの学位にするかは、指導教員とよく相談して決めてください。
入学から修士課程修了までは通常2年ですが、特に業績や能力が認められた場合には、課題研究や特別研究第1を半年で取得し、合計1年半または1年の在学期間で修了することもできます。
今年度の履修に関する注意を述べておきます。 2019年度から主専門・副専門を置く新しいカリキュラム制度に移行しました。 詳しくは、履修案内を参照してください。
履修に当たっては、指導教員の先生とよく相談をして、助言を受けて下さい。 下記の科目の講義要綱・シラバスは、次のページで検索することができます。
履修に当たっては、指導教員の先生とよく相談をして、助言を受けて下さい。 下記の科目の講義要綱・シラバスは、次のページで検索することができます。
数理科学専修では、後期博士課程修了対象者に対し 1)博士(理学)、2)博士(工学)の 両方の審査を行います。学位の申請にあたっては、指導教員と良く相談をして、学位の種類を決めてください。
修士論文発表会に先立ち、アブストラクトの提出が必要です。詳細は別途掲示等で指示があります。
アブストラクト作成用のLaTeXファイル一式:ダウンロード(tar.gz)、ダウンロード(zip) 2013.1.28掲載
(これらのファイルは標準的なもので、使用を義務付けるものではありません。)
修士修了後の進路は各自にとって大切なことなので、十分考えたうえで決定してください。 一般企業のなかにも数学や数理科学を活用する分野が数多くあります。 修士課程で得た実力を社会のなかで発揮されることを望みます。
修士課程修了後、さらに研究を深めるために、後期博士課程に進学する道もあります。 これは、修士課程で行った研究をさらに進め、一人前の研究者となるための養成コースです。 数理科学専修からは多くの研究者が育っています。
修士課程修了後の進路については指導教員と十分相談することを奨めます。 なお、就職委員の先生も相談にのってくれますので、よく相談してください。
修士課程在学中のさまざまな問題については、基本的には担当の指導教員に相談して下さい。
必要があれば、専修主任、大学院学習指導の先生の他、指導教員以外の数理科学専修所属の先生方にも相談をしてください。メールでも構いません。
その他、必要事項についてはK-LMSや掲示板を通じて連絡します。
K-LMSからの連絡を常に確認できるようにしてください。
また、数理科学専修掲示板(ピロティー)、14棟6階学生室掲示板をよく見てください。
数理科学専修では大学院生が利用できるさまざまな施設を用意しています。これらを有効に使ってください。
数理科学専修では、後期博士課程の学生の教育を積極的に行っていきます。 後期博士課程の学生には、修士課程で修得した専門知識や指導を受けた研究の方法を基礎として、自立して各々の研究を推進していくことを期待します。 指導教員および数理科学専修は、各学生の研究への助言や指導を精力的に行っていきます。
数理科学専修においては、後期博士課程の学生に対して、以下のことを主な目的として、教育を行います。
学位申請を希望する学生に対しては、申請前に予備セミナーを行います。 予備セミナーに合格すると、予備審査に進むことができます。 予備審査に合格して、所定の書類を提出すると本審査となります。
学位取得については、指導教員と忌憚なく相談してください。 学位取得の資格がある学生には短期修了を推奨します。 数理科学専修は、研究成果をできるだけ広く公表し、評価を得るべきであると考えています。学生諸君には、各自の研究成果をその研究分野できちんと評価されている学術誌等に積極的に投稿することを奨励します。
学位取得のための標準の条件は、相当する研究分野において一定の評価が得られている学術雑誌に、学位論文の骨子となっている、欧文論文を含む学術論文が2篇以上掲載もしくは掲載受理(アクセプト)となっていることです。
骨子になっている論文は最終試験までに掲載受理(アクセプト)となっていることが必要です。 また、以下の場合についても、修了要件をみたすと認めることがあります。
なおここで、数理科学専修が考える一定の評価が得られている学術雑誌とは、例えば
などです。成果の公表には、国際的に評価を受けることが望ましいので、欧文論文の出版や国際会議での発表を積極的に奨めます。
上記の修了要件が満たされた学生は、指導教員に学位申請について相談し、学位予備審査のためのアドバイスを受けてください。
学位申請は、基礎理工学専攻で合意されたプロセスに従って行われます。 以下は、時系列を追ってそのプロセスを述べたものです
これらを理工学部学事担当に提出します。とくに、論文目録には、
などについて、指導教員の助言のもとで記載します。この申請書類は、基礎理工学専攻教員会議に諮られます。
3. 学位申請(受理申請)と、6. 学位申請(審査)の手続きの詳細については、 理工学部学事担当のホームページ「博士学位申請手続き要綱」を見てください。 いずれも、基礎理工学専攻教員会議開催日の2週間前が提出期限となっています。
語学・学力確認試験については、審査を担当する委員(主査・副査)が行います。 語学については、学位論文が英文で書かれている場合には、その論文における 英文を中心に審査を行います。また、欧文論文の出版や国際会議の発表等も確認対象とします。必要な場合は、審査員による語学学力確認試験を行います。
学力確認試験は、専門に関連する学術について、質疑応答の中で確認します。
数理科学専修では、後期博士課程修了対象者に対し 1)博士(理学)、2)博士(工学)の 両方の審査を行います。学位の申請にあたっては、指導教員と よく相談をして、学位の種類を決めてください。
博士課程在学中のさまざまな問題については、基本的には担当の指導教員に相談してください。
必要があれば、専修主任、大学院学習指導の先生の他指導教員以外の数理科学専修所属の先生方にも相談をしてください。 メールでも構いません。
その他、必要事項についてはK-LMSや掲示板を通じて連絡します。
K-LMSからの連絡を常に確認できるようにしてください。
また、数理科学専修掲示板・数理科学科掲示板をよく見てください。