セミナー

微分幾何・トポロジーセミナー

タイトル 多分割等周定数,エクスパンダー族と有限ケーリーグラフ
開催日時 2013年7月1日 16:30~18:00
主催者
講演者 見村万佐人氏 (東北大学)
場所 慶應義塾大学理工学部 14棟733
内容 有限正則グラフ G の(通常の)等周定数 h_2(G) とは,グラフの頂点集合 V の(空でない)2 分割(A_1,A_2) を動かすとき,|A_iの辺境界| を |A_i| で割った量の i=1,2 での最大値の分割での最小値をとることで定義される.2≦n≦|V| なる整数 n をとるとき,グラフの頂点集合の(空でない)n分割で同様のことを考えることで,G の n 分割等周定数 h_n(G) が定義される.h_n(G) は G のラプラス作用素の第 n 固有値(0 を第 1 固有値とする)λ_n(G) と関連することが知られており,「チーガー型の不等式」と呼ばれている(n=2 のときはAlon--V. Milman の著名な結果, 一般の場合は Lee--Gharan--Trevisan による最近の結果による). h_n(G) は n について単調非減少だが,一般に h_{n+1}(G) は h_n(G)に比べいくらでも大きくなりうる.藤原耕二は,“グラフ G が連結ケーリーグラフの場合に h_{n+1} と h_nの値の間には非自明な関係があるのではないか”,という問題を提起した.本講演では,この藤原耕二の問題の,講演者による定量的な解決をお話ししたい.講演者の結果から,任意の n≧2 に対し,有限連結ケーリーグラフの列 {G_m}_m において「inf_m h_n(G_m) が正である」ことと「inf_mh_2(G_m) が正である」ことの同値性が従う.また,有限な頂点推移的なグラフ G と n≧2 に対して,「h_n(G) とh_{n+1}(G) の間に(定量的な)ギャップがあるときには G が(nに依る形で記述できる)ある種の対称性をもつ」ことも明らかになった.
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