セミナー

談話会

タイトル ポテンシャル付き非線形シュレディンガー方程式の解の大域ダイナミクスについて
開催日時 2017年8月4日 17:00-18:00
主催者
講演者 池田正弘 氏(理化学研究所 革新知能統合研究センター,慶應義塾大学)
場所 慶應義塾大学 矢上キャンパス
14棟631A/B
内容 本講演では,物理学の様々なところで登場するポテンシャルを持つ非線形シュレディンガー方程式の初期値問題の解の大域挙動に関して得られた結果について紹介する.
非線形項が解に対して反発的に働く場合には,Lafontain(2016)が,線形ポテンシャルも解に対して反発的に働く場合に,全てのエネルギー有限な解が時間無限大において線形解で近似できる(散乱解)ことを示した.
一方で,非線形項が解に対して,集約的に働く場合には,有限時間内で爆発する解の存在が予想できるため,解の大域挙動を初期値により決定づけることは容易ではない.
近年,集約的な非線形項を持つ様々な分散型波動方程式(熱方程式も含めて)に対して,初期値から解の挙動を分類しようという研究が,国内外を問わず活発に研究されていることに注意する.
今回,初期値の質量-エネルギーが,ポテンシャルのない定常非線形シュレディンガーの基底状態解のそれよりも小さいという制限の下,初期値によって,解の大域ダイナミクスを証明することに成功した.
特に,爆発解の存在が,ビリアル等式とそれに関連する汎関数の一様有界性を示すことで得られる.
一方,大域解の存在とその漸近自由性を示すが,証明の困難さは,背理法の中で存在する最小爆発解と呼ばれる解を構成する部分にある.
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