学科カリキュラム

学科カリキュラム

学部の研究内容

数理科学科における4年次の卒業研究のテーマは、「数学」「統計学」「コンピュータ・サイエンス」の3つのものに大別されます。
数学には、「数」を研究する数論、「演算」を研究する代数学、「形」を研究する幾何学、「関数、微分方程式」を研究する解析学、「不確実性」を研究する確率論などがあります。これらは、独立した分野であると同時に、たとえば微分方程式を幾何学的に研究するといったような、相互の強い関連もあります。また、とくに解析学や確率論などは、数理物理などとの深い関連もあり、このような研究も活発におこなわれています。組み合わせ論やグラフ理論などの「有限」をあつかう数学の分野もあり、これらはコンピュータ・サイエンスとも関係の深いものです。
統計学では、どのようにデータを集め(モデル設計、データ設計)、処理(データ解析)すれば有効で意味のある結果を導くことができるかを理論的に研究します。この統計学においては、確率論が基礎になっています。工業生産や環境問題といった実際的なものへの統計学の応用も研究されています。
数理科学科におけるコンピュータ・サイエンスでは、計算の原理とアルゴリズムが主な研究課題です。コンピュータにどのようなアルゴリズムで計算されるか、いかに効率よく計算させるか、その計算の信頼性はどうなのかといったことが研究対象となります。そして、数学や統計学における様々なモデルのコンピュータによる解析なども、数理科学科においては欠かすことのできないものです。

2年次および専門課程における教育

2年次では、1年次の数学の基礎教育の上にさらに進んだ数学の基礎を学びます。
春学期の必修科目である「数理科学基礎第1同演習」では、数学の 言葉である「集合と論理」について基礎から学び、演習を通してその使い方 を身につけます。秋学期の必修科目「数理科学基礎第2」においては、これ までに学んだ様々な基礎数学が互いにどのように関連しているか、またそれ らがどのように適用されるのかといったことを、演習を多く取り入れた形式 で学びます。 また、これも必修科目である「計算機科学同実習」においては、コンピュータの構成や問題解決に必要なアルゴリズムの構成に関する基礎理論が講義され、実習によって実践的な素養を身につけます。また、もう一つの必修科目「統計科学概論」では、データから情報を取り出すための方法論の科学である統計科学を、理論と実践の両面から学びます。このようなカリキュラムは、個々の基礎的科目を独立したものとして学ぶだけではなく、数理科学的視野を身につけるために配慮されたものです。
3年次においては、4年次の卒業研究に向けて各専門分野の基礎が講義されます。多くの科目は演習付きの科目となっており、演習によって理解を深めるとともに、理論の応用法も学びます。また、3、4年次においても、数学の多分野にまたがる内容の「数理科学基礎第3」や、数理物理に現れる方程式の概説を内容とする「関数方程式概論」のように、数理科学的視点に立った講義が用意されています。
4年次における講義は、3年次の講義の内容をさらに進めるものの他に、特色ある講義もいくつかあります。なかでも、「保険数学」は全国的に見てもユニークな科目で、この科目を契機に保険業務の重要な資格であるアクチュアリーの試験にチャレンジする学生もいます。

代数

情報

確率・統計

解析

総合数理科学

自然科学一般

2年生春学期

線形代数 計算機基礎 確率 応用解析第1
数学解析第1
数理科学基礎第1同演習
情報数学概論
解析力学
量子力学入門

2年生秋学期

代数学基礎同演習 計算機科学同実習 統計科学概論
統計解析
数学解析第2 数理科学基礎第2
位相空間論
幾何学序論
応用解析第2
理工学基礎実験

3年生春学期

代数学第1同演習 アルゴリズム論
数理最適化
確率概論
数理統計学第1同演習
関数方程式概論
実解析第1同演習
数理科学基礎第3
関数論第1同演習
幾何学概論
数理最適化
統計科学同演習
有限数学第1
 

3年生秋学期

代数学第2 情報処理 確率論第1同演習
数理統計学第2
関数方程式第1同演習
実解析第1同演習
関数論第2
幾何学第1同演習
情報数学第1
データ解析同演習
統計科学輪講
有限数学第2
計算機システム論
 

4年生春学期

卒業研究 確率論第2
関数解析第1
関数方程式第2
幾何学第2
情報数学第2
代数学続論
数理科学特別講義第1
保険数学
時系列モデル
統計的推測と応用
数理科学特別演習
図形処理A
図形処理B

4年生秋学期

数理科学特別講義第2
数理論理学
数値解析
リスク数理
関数解析第2
統計数学続論第1
統計数学続論第2

※太字は必修科目です。

※数理科学の研究では代数、情報、確率・統計、解析など様々な手法が用いられます。学年が進むほど、総合的な知識を必要とする科目の割合が増えるので、2、3年生のときから幅広く履修してください。

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