数学3A/数学A3 (平成27年度 春学期)
講義担当者
教授: 井口達雄
研究室: 矢上キャンパス14棟541
E-mail: iguchi@math.keio.ac.jp
講義室と時間
講義室: 22教室(日吉キャンパス第4校舎B棟2階)
時間: 月曜日5時限(16:30〜18:00)
講義目的と内容
理工学の様々な分野において使用される解析学の基礎を学ぶ.
具体的には,今まで皆さんが習ってきた実数,数列の極限,
連続関数などの定義を見直し,それらの厳密な定義を与え,
高校では直観で済まされていた様々な定理の証明を与える.
また,1変数関数および2変数関数の微分法とその応用について解説する.
講義計画
- 実数の連続性
・ 論理記号,上界,下界,最大元,最小元,上限,下限
・ 上限・下限の特徴付け,実数の公理
- 数列の極限
・ 極限の定義と基本性質,コーシー列
・ 数列の収束判定法,数列の極限の例,ボルツァーノ・ワイヤストラスの定理
- 連続関数
・ 関数の極限,連続関数の定義と基本性質,最大値・最小値の存在
・ 中間値の定理,逆関数の存在とその連続性,逆三角関数
- 微分法
・ 合成関数と逆関数の微分法,ロルの定理,平均値の定理,ロピタルの定理
・ 高階導関数,ライプニッツの公式,テーラー展開とその応用
- 2変数関数の連続性
・ 平面上の閉集合・開集合,2変数関数の極限と連続性
- 2変数関数の微分法
・ 偏微分,全微分,合成関数の微分法
教科書
この講義用に作成したプリントを使用する.
PDFファイル
(1回目の授業開始時に履修者に配布する.)
演習書
「詳説演習 微分積分学」 蟹江誠夫・桑垣煥・笠原皓司 著 (培風館)
「大学演習 微分積分学」 三村征雄 編 (裳華房)
「解析演習」 杉浦・清水・金子・岡本 著 (東京大学出版会)
参考書
「解析入門」 小平邦彦 著 (岩波書店)
「理工系の微分積分学」 吹田信之・新保経彦 著 (学術図書出版社)
「解析入門 I」 杉浦光夫 著 (東京大学出版会)
「解析概論」 高木貞治 著 (岩波書店)
成績評価方法
筆記試験(中間試験と期末試験)の結果で評価する.
さらに,レポートの結果も参考にする.
講義内容の概ね6割以上を理解していることを合格の基準とする.
講義の予定および進行状況
4月13日 論理記号,上界,下界,最大元,最小元,上限,下限
レポート問題1
4月20日 実数の連続性公理,上限・下限の特徴付け,Archimedes の公理
レポート問題2
4月27日 数列の極限,数列の収束判定法
レポート問題3
5月 4日 休日(みどりの日)
5月11日 Cauchy 列,Cauchy の収束判定法
レポート問題4
5月18日 Bolzano-Weierstrass の定理,関数の極限,連続関数
レポート問題5
5月25日 閉区間で定義された連続関数の有界性と最大値・最小値の存在,中間値の定理
レポート問題6
6月 1日 逆写像と逆関数,逆三角関数,微分係数,導関数,合成関数の微分法,逆関数の微分法
レポート問題7
6月 8日 Rolleの定理,平均値の定理,Cauchyの平均値定理,l'Hopital の定理
レポート問題8
6月15日 中間試験
6月22日 高階導関数,Taylorの定理,Landauの記号
レポート問題9
6月29日 Taylor展開,Maclaurin展開
レポート問題10
7月 6日 2変数関数の連続性,偏微分,および全微分
レポート問題11
7月13日 合成関数の微分法,座標変換による微分作用素の変換
レポート問題12
7月20日 Taylor展開とその応用,e および Log2 の近似値の求め方
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更新日: 2015年7月30日