セミナー

微分幾何・トポロジーセミナー

タイトル 有界強擬凸領域におけるCheng-Yau計量のEinstein変形とL^2コホモロジー
開催日時 2016年10月17日 17:00-18:30
主催者
講演者 松本 佳彦 氏 (大阪大学)
場所 矢上キャンパス14-733(14棟7階ミーティング3)
内容 Stein多様体の有界強擬凸領域には,Cheng-Yauによって示されたように,完備Kaehler-Einstein計量が存在する.
これを「漸近的複素双曲(ACH)計量」と呼ばれるクラスの中でEinstein性を保ったまま変形することを考える.
各々のACH計量には,付随して領域の境界のCR構造(一般にはnon-integrable)が現れる.
われわれの問題は,正確に言えば「境界上のCR構造の微小な摂動(non-integrableなものを許す)に対して,それを誘導するようなACH-Einstein計量は構成できるか」というものである.
CR構造たちとEinstein計量たちの間に対応を作ろうとしているのである.
本講演では,複素3次元以上の場合にはそれがいつでも可能であることを説明する.
複素2次元の場合はうまく証明できず,未解決のまま残っている.
これはACH計量に関するLaplace型の線型微分作用素の解析の問題である.
Biquardの先行研究によって,(i)微分作用素の核が関数空間のウェイトをある範囲で取りかえても変化しないことが知られており,これと(ii)正則接束値L2コホモロジーの消滅の議論を合わせることによって,上述の結果が証明される.
なお,(i)はかなり一般的な形で述べることのできる事実であって,他の応用もあるので,それらにも簡単に触れたいと思う.
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