興味の中心は、確率解析を用いた幾何学的関数論の研究である。
ブラウン運動と調和関数の合成は、マルチンゲールになることが知られている。
また、正則関数と複素ブラウン運動の合成は等角マルチンゲールになることが知られている。このような関係は、多次元の場合にも拡張され、多様体上のマルチンゲールや複素空間上の正則マルチンゲールといった概念が導入される。このような確率過程を調べることにより、多様体のもつ関数論的性質を調べることができると考えられる。 具体的に次のような事柄について研究している。
リーマン多様体上のブラウン運動・マルチンゲールの大域的挙動。調和関数・調和写像の大域的性質。極小部分多様体の確率論的・関数論的性質。
正則写像の値分布論、特に、部分多様体やケーラー多様体上の有理形関数についてのネヴァンリンナ理論。
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