数学解析第2 (平成23年度 秋学期)
講義担当者
教授: 井口達雄
研究室: 矢上キャンパス14棟541
E-mail: iguchi@math.keio.ac.jp
講義室と時間
33教室(日吉キャンパス第4校舎B棟3階)
木曜日4時限(14:45〜16:15)
講義目的と内容
ニュートンが古典力学を体系化して以来,
自然科学が扱う現象の多くは微分方程式によってモデル化されている.
微分方程式とは,ある未知関数とその導関数との関係式のことであり,
その未知関数が1変数の場合,常微分方程式と呼ばれる.
本講義ではその常微分方程式の基礎事項を学ぶ.
講義計画
- 微分方程式の初等解法
- 常微分方程式の基礎定理(解の存在と一意性)
- 線形常微分方程式(独立解、一般解、解空間の構造)
- 定数係数同次線形常微分方程式の解法
- 定数係数非同次線形常微分方程式の解法(定数変化法)
- 線形常微分方程式の級数解
- 境界値問題とグリーン関数
教科書
参考書
「常微分方程式」応用解析の基礎3 入江昭二・垣田高夫 著 (内田老鶴圃)
「微分方程式の基礎」数理科学ライブラリー5 笠原皓司 箸 (朝倉書店)
「微分方程式入門」基礎数学6 高橋陽一郎 著 (東京大学出版会)
「境界値問題入門」基礎数学シリーズ27 草野尚 著 (朝倉書店)
成績評価方法
筆記試験(中間試験と期末試験)の結果で評価する.
その重みは,中間試験得点:期末試験得点=50%:50%であり,
総得点を100点とした場合,60点以上を合格とする.
さらに,60点未満の者に対してはレポートの結果も加味する.
講義の予定および進行状況
9月22日 常微分方程式の初等解法 その1:
変数分離形,同次形,1階線形方程式,Bernoulli の方程式,Riccati の方程式
レポート問題1
9月29日 常微分方程式の初等解法 その2:
Riccati の方程式,2階斉次線形方程式,全微分形, 積分因子
レポート問題2
10月 6日 常微分方程式の基礎定理,初期値問題とその幾何的意味,Picardの逐次近似法
レポート問題3
10月13日 基礎定理の続き,Gronwall の不等式,解の初期値に関する連続性
レポート問題4
10月20日 解の延長,大域解の存在,1階線形方程式系に対する初期値問題
レポート問題5
10月27日 n階斉次線形常微分方程式の解の構造,Wronskian
レポート問題6
11月 3日 休日(文化の日)
11月10日 n階線形常微分方程式の解の構造(証明の続き),定数変化法
レポート問題7
11月17日 定数係数線形方程式の解法,演算子法
レポート問題8
11月18日 補講 演算子法の計算例,行列の指数関数とその性質
レポート問題9
11月24日 休講(三田祭後片づけ)
12月 1日 中間試験
12月 8日 休講
12月15日 Jordan 標準形およびスペクトル分解を用いた行列の指数関数の計算方法
レポート問題10
12月22日 線形常微分方程式のべき級数解
レポート問題11
1月12日 休講
1月19日 確定特異点,Frobenius の理論,Bessel の方程式
レポート問題12
1月21日 補講 境界値問題と Green 関数
1月26日 期末試験
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更新日: 2012年1月30日