数学A3 (平成26年度 春学期)
講義担当者
教授: 井口達雄
研究室: 矢上キャンパス14棟541
E-mail: iguchi@math.keio.ac.jp
講義室と時間
講義室: 33教室(日吉キャンパス第4校舎B棟3階)
時間: 水曜日1時限(9:00〜10:30)
講義目的と内容
理工学の様々な分野において使用される解析学の基礎を学ぶ.
具体的には,今まで皆さんが習ってきた実数,数列の極限,
連続関数などの定義を見直し,それらの厳密な定義を与え,
高校では直観で済まされていた様々な定理の証明を与える.
また,1変数関数および2変数関数の微分法とその応用について解説する.
講義計画
- 実数の連続性
・ 論理記号,上界,下界,最大元,最小元,上限,下限
・ 上限・下限の特徴付け,実数の公理
- 数列の極限
・ 極限の定義と基本性質,コーシー列
・ 数列の収束判定法,数列の極限の例,ボルツァーノ・ワイヤストラスの定理
- 連続関数
・ 関数の極限,連続関数の定義と基本性質,最大値・最小値の存在
・ 中間値の定理,逆関数の存在とその連続性,逆三角関数
- 微分法
・ 合成関数と逆関数の微分法,ロルの定理,平均値の定理,ロピタルの定理
・ 高階導関数,ライプニッツの公式,テーラー展開とその応用
- 2変数関数の連続性
・ 平面上の閉集合・開集合,2変数関数の極限と連続性
- 2変数関数の微分法
・ 偏微分,全微分,合成関数の微分法
教科書
この講義用に作成したプリントを使用する.
PDFファイル
(1回目の授業開始時に履修者に配布する.)
演習書
「詳説演習 微分積分学」 蟹江誠夫・桑垣煥・笠原皓司 著 (培風館)
「大学演習 微分積分学」 三村征雄 編 (裳華房)
「解析演習」 杉浦・清水・金子・岡本 著 (東京大学出版会)
参考書
「解析入門」 小平邦彦 著 (岩波書店)
「理工系の微分積分学」 吹田信之・新保経彦 著 (学術図書出版社)
「解析入門 I」 杉浦光夫 著 (東京大学出版会)
「解析概論」 高木貞治 著 (岩波書店)
成績評価方法
筆記試験(中間試験と期末試験)の結果で評価する.
さらに,レポートの結果も参考にする.
講義内容の概ね6割以上を理解していることを合格の基準とする.
講義の予定および進行状況
4月 9日 論理記号,上界,下界,最大元,最小元
レポート問題1
4月16日 上限,下限,実数の連続性公理,上限・下限の特徴付け,Archimedes の公理
4月23日 数列の極限,数列の収束判定法
レポート問題2
4月30日 火曜代替講義日のため講義なし
5月 7日 Cauchy 列,Cauchy の収束判定法
レポート問題3
5月14日 Bolzano-Weierstrass の定理,関数の極限,連続関数
レポート問題4
5月21日 閉区間で定義された連続関数の有界性と最大値・最小値の存在,中間値の定理
レポート問題5
5月28日 逆写像と逆関数,逆三角関数,微分係数,導関数,合成関数の微分法,逆関数の微分法
レポート問題6
5月29日 補講: 導関数の具体例,Rolleの定理,平均値の定理,Cauchyの平均値定理
レポート問題7
6月 4日 l'Hopital の定理,高階導関数,Taylorの定理
レポート問題8
6月11日 中間試験
6月18日 Landauの記号,Taylor展開,Maclaurin展開
レポート問題9
6月25日 Taylor展開の補足,2変数関数の連続性,偏微分,および全微分
レポート問題10
7月 2日 休講
7月 9日 2変数関数の全微分,偏微分と全微分の関係,合成関数の微分法
レポート問題11
7月16日 座標変換による微分作用素の変換,極座標変換
戻る
更新日: 2014年7月10日