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2地点における風向や分子のねじれ角(torsional angles)のデータは,トーラス上のデータと考えられ,これらのデータをモデル化するためにトーラス上の確率分布の研究が行われるようになった.過去には,Mardia (1975) やJammalamadaka and SenGupta (2001) によってトーラス上の分布が提案され,分子のねじれ角のモデル化などに応用されている.
Mardiaの分布は,特定の条件の下で連続エントロピーを最大にするトーラス上の分布として提案された.一方,Jammalamadaka and SenGuptaの分布は,平均方向 (mean direction),集中度(concentration),circular correlationを所与としたときに連続エントロピーを最大にするトーラス上の分布として導出された.これらの分布に共通する性質として,分布の対称性が挙げられる.しかし,対称な分布をあてはめられるデータは稀であり,多くの非対称に分布するデータに対してこれらの分布をあてはめることには無理がある.
そのような研究背景の下で,私は現在,トーラス上の非対称分布の研究を行っている.この研究はトーラス上の非対称に分布するデータのモデル化を目的としている.目下,分布の性質,推定,検定に関する研究を行っているところである.
また,他にも球面上,シリンダー上の分布に関する研究にも興味を持っている.これらの研究は,それぞれ球面上,シリンダー上のデータのモデル化への応用を目的としている.
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