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常微分方程式を研究してきた.その研究対象は,解析的な微分方程式の特異点のまわりでの解の級数展開,多変数超幾何関数の漸近展開およびストークス現象を中心とした
大域的解析,Painlevé方程式を中心とする非線形方程式の有理型関数解の解析的研究などである.これらの関数方程式はその解として特殊関数を定義していることに注目し,その関数方程式をとおしてその特殊関数の性質を研究するということに力点をおいてきた.またその手法は,関数論が多く使われるがその中でも特に値分布論に興味をもっている.最近の研究としてはPainlevé超越関数の値分布について調べている.Painlevé方程式に関してはその大域的性質について昔からいくつかの興味ある結果があるが(P. Boutroux, R. Garnier,H. Wittich など),まだ完全でないもの,justify されていないものなど不完全なものもおおい.例えば Painevé超越関数の位の評価については 1900 年代のはじめの P. Boutroux の仕事,1950 年代のころからの H. Wittich, E. Hille らによる試みがあったが,その証明には高階方程式を扱う際に特有な困難さによるギャップがあった.それについてはつい最近そのギャップを埋め満足な評価を得ることに成功した.今後は,関数論的手法,モノドロミー保存変形などの手法により多変数のものも含めた非線形方程式の解析的,大域的な性質の研究を遂行してゆきたい.
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