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社会のさまざまな場面で, いかにデータを最大限活用できるかが問題解決の鍵であることが多くなってきている. 我々は,このような期待に適切に応えるため,新たな科学分野である「データを対象とする科学」を提唱してきた.現在その確立を目指し,さまざまな研究活動を展開している. ひとつは,データの上流から下流までを一貫してサポートする環境 DandD (Data and Description) の設計と実装であり,また,この環境のもとでの 「データにモデルを語らせること」 の実践である. 具体的には,瞬時為替レートのクラスタ化マーク付点過程モデル化やTOPIXのニューラルネットワークによるモデル化など金融時系列に属するデータから,DNA の塩基配列やたんぱく質のアミノ酸配列データ,神経細胞ネットワークの実験観測データ,環境との関連を探るための野鳥羽数の変化データ,衛星レーダの受信波データなど,さまざまなデータとそのモデル化に積極的に取り組んでいる. これらの実践を通して「データからモデルへ」の一般的な道筋が次第に明確になりつつあり,今後はこれを DandD の環境に取り入れ, より適切なガイドができる環境を構築することを目指している.
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