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確率過程とは時間と共に変化する偶然現象を数学的にモデル化したものであるが、その中でレヴィ過程とは、重なり合わない時間間隔における変化が独立で、しかも時間的一様性をもっている確率過程である。レヴィ過程の研究ははP. Lévy以来長い歴史を持っているが、現在なお多くの魅力ある数学的問題を提供している。近年は特に物理学や数理ファイナンスの分野においてその重要さが改めて認識され、レヴィ過程の解析的性質の研究が一層重要になってきている。またレヴィ過程のある時点での分布は無限分解可能という、確率論の極限分布論における最も重要な分布族を構成しているが、無限分解可能分布論についても近年新しい方向からの研究が盛んになっている。現在私は、無限分解可能分布の多くの興味あるサブクラスの特徴づけ、それらの分布の性質に興味をもっており、その研究を精力的に行っている。
一方、自己相似過程とは、時間と空間の適当な変換のもとで分布が不変な確率過程であり、それらは強い従属性のある現象の数理モデルとして有効であることがわかっている。この自己相似過程について、新しいクラスの構成とその性質の解明の研究を行っている。さらには自己相似で独立増分をもつ確率過程もファイナンスの問題に重要であることが最近国外の研究者の研究でわかり始め、これについても新しい研究対象として取り組んでいる。
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