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最近の主な研究課題は,合成開口レーダーの解析へのwaveletの応用です.合成開口レーダーは,人工衛星や航空機から地表面画像を取得するために使われています.数学的に言えば,合成開口レーダー解析の目的は,地表面反射係数というものを雑音が入り交じった受信波から取り出すことになります.現在実用に供されている合成開口レーダーの技術では,受信波は地表面上の有限個の点から反射されるものの和で表現でき,しかも,雑音は独立かつ同一分布に従うものであると仮定することが普通です.しかし,私の研究課題では,より現実に即した受信波のモデル化を前提にしています.それは,受信波は積分形で表現される連続的な合成形であり,雑音は時刻に依存する非定常過程であると仮定するものです.この仮定に立つと,雑音が非定常過程であるということに加え,目的である反射係数が非直接データとしか観測されないという難しさを生じます.これに対処する方法の1つが,wavelet-vaguelette分解と呼ばれる手法です. この手法を使うことにより,現在使われているものよりも解像度が高く,しかもより簡単に地表面画像を取得する方法を開発することが最終的な目標です.
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